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拉致文章:あなたはまるで虹の彼方にきらめく北極星めがけて禁断のヴィーナスが非ユークリッド的馬蹄型宇宙空間に沿って下降する千◎夫が山のあなたの秋の日のヴァイオロン星獣がダイヤモンドのように素敵だっつってんだろぁぁぁぁぁぁぉおおおおおぉぉぉぉぉぉォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!!!!!! [拉致]

書けた…ッ!
その事に対して…ッ!
満身相違の私から言えることは…ッ!
ただ一つ…!
ただ一つにして絶対…ッ!

マロロンちゃんお誕生日おめでとう!!!

そして今回のタイトルは、モエモエさんちの記事に乗っかっただけだ……ッ!!

愛ゆえに…

愛ゆえに……!!!




コチラは、エターナルモエモエさんのみ、お持ち帰り、転載できます。

マロロンちゃん誕生日プレゼント!
それは無かった事。

登場人物:マロロンちゃん 双子

スーパーお祝いタイム!

祝い度:★★★★★
精神有害度:★☆☆☆☆
(マロロンちゃんおめぇ!)
(世界観ごっちゃ)
(双子が何に考えてるかは、ご想像にお任せします)






騎士道精神を胸に宿した紳士達が、今日という日をその言霊で美しく飾り、華やかな貴婦人達が集まり、衣装比べに花を咲かせるパーティー、此処は名門貴族ロードウェル家が本宅。

ロードウェル家は本来別邸を幾つか持っているが、そのどれも目を眩ませる程に美しい屋敷だが、やはり本宅には遠く及ばない。
いや、一軒だけそれに勝るとも劣らない物を上げるなら、それはこのロードウェル家が長女、マロン・メープル・ロードウェルこと、マロロンが仲間兼家族と暮らす屋敷だろう。
このパーティーは、そのマロロンの誕生日パーティーのために開かれた催し物であり、勿論彼女もこのパーティーに出席し、普段は離れて暮らしている両親と、久方ぶりの会話を楽しんでいた。
パーティー会場である、ダンスフロアの天にも届かん程に高い天井は、大きく豪奢で、それでいて主張しすぎない控えめな装飾の施されたシャンデリアの光に彩られ、招かれた客人達を優しい蜜色で出迎える。
そして何曲目か解らない音楽が一曲終わり、マロロンは何週目かのダンスの相手を務めた後、いい加減少し外の空気が吸いたくなって、両親の目を盗んで中庭に出る事にした。

元々マロロン事態は、パーティーや祭りのような賑やかな場所は好きなのだが、こうも人口密度の多い室内で何時間も踊り続けていては、少し息が詰まってしまう、簡単に言うなら人酔いである。
たしか本宅の簡易実験室に、酔い覚ましがあった筈、最悪の場合はアレを使おう、たしか鼠には効いたから平気……だと思う。
マロロンがダンスホールの煌びやかな雰囲気から放れてゆくと、途端に胸の奥に風が吹き抜けたような、寂しいような、清々しいような空気に、すっぽりと身を包まれて、自分は今また父からも、母からも自ら遠ざかったのだと、荷物を持って、両親に見送られて家を出たあの日のように、そう感じる。
中庭の入り口は、二階のダンスホールから、階段を下って一階に下り、脇にある渡り廊下を渡りきった場所にある、大きな硝子扉の向こう側。

まるで蜘蛛の子のように、パーティーのための料理を運ぶメイドやバトラーの目を盗むのは、一見すると不可能にも思えるが、マロロンにとっては割りと簡単な事。
なぜならマロロンは、このようなパーティーに慣れているからだ、慣れているということは、こうやって人酔いすることにも慣れているし、外へ抜け出すのも得意ということである。
昔、兄と一緒にこの広大な屋敷の中を探検していた時、偶然にも頑丈だが古い造りの排空溝の金具が人一人分だけ外れる事に気が付き、それを辿る事で中庭に誰にも気がつかれずに行く事が出来るという、秘密の抜け道を見つけた。
場所は一階に下りる階段から、その下にある第二ダンスフロア入り口の横、今だ塞がれる事は無く、こうしてマロロンもあの頃と同じ様に、あの抜け道を通る事が出来る。
さあ、急いで衣裳部屋から温かく、汚れが目立たなそうな色で、長の長いコートを掴んで、中庭に出発。

……まあ、排空溝はマロロンにとって、若干……というより、やっぱりキツくはなっているが。

中庭に出ると、マロロンを出迎えたのは、パーティーに出席していたどの貴婦人のドレスにも勝るとも劣らない、色取り取りに咲き誇る一面の冬薔薇達だった。
ひんやりとした空気が、薔薇達を強く引き締めているかのように、屋敷の花瓶の中で柔らかに彩りを添える薔薇と違う、凛とした美しさが、マロロンの心に直接その誇りを与えるようで。
茶色の煉瓦で出来た、見るからに冷たそうな生垣に、フリルのあしらわれた黄色のハンカチを敷くと、マロロンはその場に座りこんで、その美しさの観賞に励む。
頬を引き締めるような風が吹くと、そのふわふわとした温かい茶色の髪が風に揺れ、パーティー用に卸したての薄い桃色のロングドレスが、コートの裾からふわふわと揺らぐ。
マロロンはこの光景を何度も見た事があったが、その度に自分が今此処に居る事をとても感謝するのだ、両親に、自分を支える家族達に、この美しさを感じる事の出来る心を育んでくれてありがとう、と。

知らず知らずに冷えた茶の髪は、風を受けて揺れる度に、その姿を体を包み込むように広がり、薔薇園を眺めるその姿はそれを見る人間が存在したなら、溜息をつく程。

その時、マロロンは今まで感じていた風と、明らかに異質な、何か誰かがやってきたような気配を突風と共に感じて、思わず目を瞑った。

一体今のは何だったのかその答えは、一瞬で解ることになる。
今のマロロンの前には、お揃いの黒衣を身に纏った、群青色の髪をした誰かと、その横で泣いているような、笑っているような顔をして此方を見ている、常葉色の髪をした誰かが立っているのだから。
怪しい、二人とも明らかに怪しい、普通に考えるなら、これは拉致フラグ。
この後袋詰めにされて、知らないビルとかに連れ込まれて、色々な意味でヒドイ目に合わされた後、その一部始終のビデオをご両親に送りつけて、身代金を要求するという、典型的なフラグ。
更に深読みするのならば、これは白昼夢、もしくは薔薇の妖精さんフラグ。
この庭園の事が大好きなマロロンに、同じく自分達を好いてくれている薔薇が、人の姿に化身して現れて、キャッキャウフフと一曲やった後、誰かに起こされてエンドという、メルヘンなフラグ。
どちらでも構わないが、少女特有の弾力のある、今はリップで艶やかな唇が何かを紡ぐ前に、一歩前に歩み出た群青色が沈黙を破って、言葉を繋いだ。

「お誕生日おめでとう御座います、ロードウェル様。
このような形の非礼、誠に謝罪申し上げますが、用件を先にさせて頂きますね。
わたくしと此方の兄は、貴方様に誕生日の花束を届けに参りました」

髪と同じ色の、人外色の薄い唇が流暢な、まるで最初から録音されていたようにして、すらすらと丁寧な言葉を並べる。
その横に立っている常盤色は、特に何かをする事も無いが、少し行儀悪く辺りをきょどきょどと見回すと、何かを見つけたのか、遠くを見て他を見る事を止めた。
普通なら人を呼んでも……明らかな不審者二人に、マロロンは上品な動作で立ち上がり、さっきまで敷いていたハンカチを取ると、それを懐にしまって群青色に言葉を返した。
その顔は、突如として現れた、得体の知れない人間の前だというのに嬉しそうで、まるで穢れを知らない無垢な子供のようで。

「誕生日の花束!?
うわぁ……嬉しいなっ! えーっと、誰から……じゃなくって、誰からですか?」

一瞬迷って敬語で言い直すと、マロロンは寒くてコートに引っ込めていた手を出すと、ひらひらと嬉しそうに動かして、その喜びを表現した。
さっきまで何かを見ていた常葉色は、やっと目線を元に戻すと、本人の本来の目的を思い出して、少女の前にまた歩み寄る。

「敬語なんていいって、いいって、僕達ただのゆーびんやさん。
誰からってねぇ~、おとーさま!
僕達のおとーさまでぇ~、すんごい怖い人なんだけどぉ~、今日はおじょーちゃんに花束プレゼントってワケ!」

「ふぇー! 優しい人なんだねっ!! お父さんのお名前は?」

「名前ェ!? えぁ? そーいや、僕のデータバンクにねぇなぁ~、他にもねぇしィ、ってことはハナから無いって事だしィ……わりぃ、わっかんねぇや☆」

それを聞いて不思議そうな顔をするマロロン、生き別れとかそんなならまだしも、交流があって自分の両親の名前も知らないだなんて。
ただこの二人は危ない人間ではない、そんな気がすると、マロロンは思うと、もう片方の群青色の方を見た、もう片割れは表情を変える事無く、二人の会話が終わる事を待っている。
会話が終わると、満を持したように群青色は、最初に持って来ていた荷物の中から、真っ赤な何かを取り出すと、腕に抱えるようにして持つ。
その赤い物は最初ポインセチアだと、マロロンは思ったが、その考えは直ぐに撤回された、あの赤い植物の大きな赤い部分は、れっきとした花弁なのだ。
ありえない程大きな花弁を持った赤い花、おそらくは違法改造された植物データだろうか。
この電脳世界が無限の可能性を持ち、無限に広がり続ける今、その一片から存在が生まれたマロロン自身、ありえない物は無いと思っている、寧ろそれを制約する事はマロロンにとっても、本分ではない。
だからこの花も受け取れる。

「御父様からのメッセージを読み上げます、『誕生日おめでとう、来年のこの日も変わらずに少女に花を』……以上です」

さっと聞いただけではかなりそっけないメッセージ、それでもマロロンは嬉しいらしく、目をキラキラさせて、二人に詰め寄った。
二人はその発情期の猪のような、あまりの勢いに思わず後ずさると、マロロンはその事にも構わずに、満面の笑みを浮かべて二人に問い掛ける。

「ね、ね、ね! そのお父様って人は、何月何日生まれなの!? ちゃーんと教えてね!!?」

それに対して群青色は、まだ表情は崩さないままに、やんわりしっかりした力で、前のめりになっていたマロロンを常葉色から引き離すと、少しだけ不思議そうに問いを問いで返す、普段なら自分がされたら全力の上げ足取りに走るというのに。

「失礼ですが、何か用件でも?」

「おいおいおいおいィ~、命知らずだなぁ~」

マロロンはそれに、さも当然の如く、無表情を崩さなかった片方のように、太陽の笑みを絶やすことなく。

「えへへ、あったりまえだよ!
私はその人の事知らなくても、私が知っていたら、その人のお誕生日祝えるもん!
お互いのお誕生日を祝えるって、とってもステキな事だと思うのよ。」

変わらずに無邪気に笑う少女、それを見て不思議そうな顔をする常葉色、それに抱きかかえられるような体勢の群青色、群青色の目の中には、太陽の光がいっぱい。
群青色は今度は自分の方からマロロンを引き離すと、まだあの無表情のまま、今度は何か色を入れて、マロロンの前に立っていました。
手に持って居るのは、青い薔薇、ありえない筈の色の、ありえなかった筈のプレゼント。

「申し訳御座いません、我々は今だ御父様の誕生月すら知らないのです……。
御父様の誕生日、入手し次第連絡を入れますので、今回はこちらでお納めください」

「ありがとう……貴方は……とっても誠実な人ね」

太陽と違う、月色の優しい微笑。
人外の色の肌が、まるで最初から無かったかのように、マロロンの腕を被う薄布を取ると、白くきめ細かい乙女の指先に。
赤く痕も残らない、鳥の啄ばみを残す。

「お褒めに預かり、光栄です」

その一瞬、またあの突風が吹いたかと思うと、ほんの一瞬の余韻も無く、群青と常葉の来訪者は跡形も無く、最初から誰も居なかったかのように、頬を撫でる空気の中に掻き消える。
後ろから自分だけの執事が、自分を探しに来た声が聞こえたが、暫くの間、この余韻の酔いは覚める事は無かった。

その青い薔薇は、誰かが現れると同じくして、一瞬と共に風の中に崩れ去った。













「ちェ~、折角のデジカメいらなかったなぁ~」

「ですね、わたくしの方はご婦人方の隠し撮りのお陰で、潤いましたけど」

「おとーと、おとーと、あんな薔薇どっから持って来たんだ?」

「ええ、あの薔薇園はあったのを適当にかっぱらって見繕ったんですよ」

「ひェ~、でもあの庭に人が来ないようにスキャンしてたけどォ、青い薔薇なんて生えてるデータは0.0001も無かったぜぇ~」

「当たり前ですよ、なんてったってアレ、わたくしの血液で染めたんですから」

「うお、痛っテぇなぁ、おとーとが流血なんて、なんか良い事あったのか~?」

「将を射んとすれなら、先ず馬から……わたくし達で何処まで出来るか…何、お礼と、ちょっとした悪戯ですよ」

「ふーん、それってクリスマスじゃなくって、ハロウィンじゃなかったっけ?
ま、いいケドねぇ~」








十二月九日、この日の夜に、誰も知らない親子の対話があって、誰も知らない三人が出会って、誰もそれを知らないままに別れた。
別れの最後の瞬間、兄は言葉を、弟は顔を残していた事も、群青色も常葉色も、少女も、誰も知らない、何も知らない。
「またな」

ただ、命半ばで手折られ、黄色の姿を異形の血で汚され、毒を吸って腐り、死んだ薔薇があったこと、それを覚えているモノだけの、架空の、夢物語。


そして、誰も……居ない。




青い薔薇の花言葉「神の祝福」「奇跡」
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usaginoshippo

きゃあああ!!!哀れさあああああん!!もう、うれしくて意味わかんなくなちゃってるよ!!嬉しいいいいいよおおおおおおお!!!!
持って帰るよ!!持って帰る!!きっと、マロロンには一生忘れられないお誕生日になったよ!!
双子さん…フフフフフフフフ…いいね!!いいよ!!そして、お父様!!ありがとおお!!本当にうれしいよ!!じゃあ、今度ブログにのせるね!!それじゃあ、おやすみなさい!!
by usaginoshippo (2008-12-10 17:36) 

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