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木っ端会話文(患):さすが完璧で瀟洒ですね、パねぇ [小ネタ]

「氷嚢をお取替えに参りました」
「……ああ、頼む」

「おいたわしや、今日もお顔が優れずに」
「そんなに悲しそうな顔すんな、こいつは多分他人に伝染しないんだろ?」

「いいえ、真に残念ながらそうとは言い切れません。
人の心に巣食う病ならば、それに犯される姿への恐怖が更なる呪物を呼ぶ場合も御座います」
「ならお前達も早い所、俺を置いて逃げたら如何だ? 巻き込む訳にはいかねぇだろ」
「私めが同胞達、それが恐怖に飲まれるとお思いで?
 ただ、そうとは言い切れない事も……この病、御主人様の物では御座いません」

「そう、なのか」
「御主人様ならば、私めに気付かせる事も無いでしょう」

「おいおい、困った事を言ってる割には嬉しそうじゃないか。少し傷付くぞ?」
「これは失礼、御主人様の畏れを味わわせて頂いていたので……。
 きっとこれもまた、私に植え付けられた御主人様の確信、でしょうね」
「まったく、俺はまた何に巻き込まれてるのやら」

「でもご安心を、きっとそれは貴方様を食い殺す物では御座いません、時が来れば時期に」
「それは」
「不躾ながら、私めの確信に御座います」

「……お前って、けっこう感情的だよな」
「ええ、感情を伴わない論理の無意味さが身に沁みておりますから」
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