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企画:おじさんを愛でたい、定晴さんも一緒に愛でたい、めでたい!!! [拉致]

おじさんか…おじさんがうっひょい!!!!
凄く……凄くエエおじさんです、マジでいじめたい、辱めたい、もう一周して撫でたい。
後日此方のブログにのっけます、定晴さん、ありがどうございました!!

今回は二連続で定晴さんちの子を借りて、マッチ売りの少女です。
定晴さんちのお子様って、みんなキャラが濃くて役割分担が凄くやりやすい、その辺マジでホレますわー(感動


コチラは、定晴さんのみ、お持ち帰り、転載できます。

童話企画
青色の火の中に

登場人物:泳楽さん 名無し

血の色は肌の色

昔々度:★☆☆☆☆
精神有害度:★★★★☆
(超シリアス、今後もシリアス)
(グロっぽいものもちょっぴり)
(エロっぽいものもちょっぴり)









むかしむかし、ある所に、大きな大きな街がありました。
雪深いこの街は、豪雪に悩まされる冬場となると、来る人来る人皆総じて太陽の光を逃さない為の黒いコートを着て、自分の体温を逃さない為に足早に動いて行動します。
見渡せば全員が全員、似たような血の気の薄い灰色の顔ばかり、寒さに凍えて歯を鳴らす顔がそれを寄り一層際立てて、街全体はまるで街ごと葬式になっているようで気が滅入ります。
そんな中、周りの人間とは明らかに違う風貌の男が一人、真冬のこの国からは程遠くなった緑色の少し長い髪、にこにこと見る人に温かみを与えるような笑顔、何よりこの国の寒さを染みこませた鉛色の……鉛色になってしまう白い肌と違い、彼の肌には色があります。
熱い外套の下は、彼の国の民族衣装でしょうか、兎に角彼は如何やら余所者のようです、人種もこの街の、この国の人間とは違うのでしょう。
この灰色の街の中、唯一色を持った男が、場違いな雰囲気もある程、明るく声高らかに言いました。

「マッチ~マッチはいかがでありますか~、よく『もえる』マッチでありますよ~」

喋る言葉は異国の人間だとというのに、この国で百年過ごした人間でも違和感を感じさせない程に流暢です、彼はおそらく学が深いのでしょう。
彼はどうやらマッチ売りのようです、この季節になると金に困った人間、主に子供は街頭に立って、工場から盗み出してきたマッチやアルコールを売るしか生きる方法は……あるっちゃあ、ありますが……ありません。
でもマッチ如きでは暖を取ることは難しいです、=買ってくれる人がいないのです、大概は黒い鉛の塊になった人の群れにもみくちゃにされて、家に居る親や親役に折檻をされる、そんな物です。

ところが、彼がマッチを売ると言った途端に、彼の周りには黒山の人集りが、お目覚めイッパツ朝七時の通勤ラッシュの如く彼の周りを取り囲んでマッチを買います。
その勢いの凄い事凄い事、驚いた事にこのマッチは、何が憎くてそんな値段にしているのかは知りませんが、一個日本円で千円もするというのに、金のある人は一度に五十も六十も、無くても十はマッチを買って行き、あっというまにマッチ売りの彼が持って来たマッチは完売。

その巨大な黒エベレストな人集りが消える頃になると、マッチを入れてきた大きな鞄の中はすっからかんになりましたが、代わりに貧乏人が見たら二秒で失神、もしくはショック死しそうな程の大量の金貨が入っています。
マッチが無くなったマッチ売りは、その自分の仕事を指で触って確認すると、今回は何時もより好調な売れ行きだったらしく、元から明るい笑い顔をもっと明るくして、市場の方角へと歩き始めました。

「今日も絶好調でありますっ☆」


このマッチ売りの彼の名前は、泳楽といいます。
泳楽がいったい何処から、どうやってこの国にやってきたのかは誰も知りませんが、彼は二日~三日に一度程こうやって街頭に立ってマッチを売っているのです。




市場、そこは一流の料理人から、一般のご家庭の人間まで、新鮮な食材を手にするため訪れる目の肥えた人を幅広く受け入れてくれる場所です。
と、いっても今はとても解散としていてとても見れた物ではありません、例えるなら形だけ作ってみましたと言っても信じてもらえないほどです、申し訳程度の腐りかけた木箱の上に、ボロ雑巾同然の布がひっかかっていて、それは屋根らしいのです。
その台の上に乗っている物が、新鮮な色とりどりの野菜や、瑞々しく弾けるような果物なら話は別です、けれども今この台の上に乗っているのは萎びた芋が三つ……。

丁度五年前、この国の王に当たる人間が崩御してしまった時から、この市場は、いや街は、国は、徐々に衰退の一途を辿って、今では国民は日々の食事にもありつけない始末。

そんな中、ギシギシと崩壊の音を立てる木箱から、泳楽は一つ萎びた芋を手に取って、細く笑った目をキリリともっと細くして芋を品定めします。
手に取った芋は三つともとても食べられそうな物ではありません、けれども芋を売っている老婆は、新鮮な芋だと言い張っています、絶対嘘です、地獄の釜の横で十年間放置したようなそんな芋が新鮮な訳ありません。
辺りはまた雪が降り始めています、泳楽はその中から芋を二つ取ると、会計を済ませました、こんな芋を食べる気なのでしょうか?

帰り道、市場を歩いて行くと途中で子供とすれ違いました、なんだか挙動不審で忙しない赤毛の子供と、正確に言えばすれ違ったというよりもぶつかった、そんな感じで、子供は何処で覚えたか知らないような汚い言葉を吐いて去りました。
泳楽は子供が完全に見えなくなった後、自分の外套の内ポケットから、さっきまで自分のポケットに入っていた筈の財布を取り出して、困ったように笑いました。

「まったく、もっと上手くやる方法も知らないなんで、難儀な子供でありますなぁ」

あの子供はスリだってのです、自分からやったのか、誰かに言われてやったのか、そんな事は至極どうでもいいことですが、あの子供は少々不器用だったようで、泳楽のポケットからスった財布を、更に泳楽自身にスり反されてしまった事に気がつかなかったみたいです。
別に盗られても貯金はまあそこそこ、財産丸ごと奪われたなら少し考えますが、今日一日の稼ぎをかっぱらわれた位で困ったりはしません、でも泳楽はあのひもじそうな子供を哀れと思ったりはしないタチなのです。

一瞬だけ振り返った泳楽は、むかむかしそうな色の雪雲が灰色の空を更に塗り潰して行くのを確認すると、足早に家路に着きました。

その背後では、マッチ売りをしていた少女が、比較的裕福な身形をした男性に連れられて、外からも嫌な臭いのする安宿へと入って行きます。
これがもう一つの生きる方法、あの少女の肩は震えていました、泳楽はそれを確かにその目に収めましたが、助けを出すことはしませんでした。

数日後、あの少女は街のゴミ箱に放り込まれている所を発見されます。




家の前、少し高級な借家、現代のマンションである自分の部屋の前に到着すると、部屋の鍵を取り出して、寒さで少し痛む手で自分の体温で温まった鍵を鍵穴に差し込みました。
扉を開けばそこは泳楽の空間、中には訳の解らない異国語で書かれた分厚い本と、しっかりと四つの脚で立っている木の机、それと揃いになったクッション付きの椅子、借家にしては大きな暖炉。
泳楽は何より早く暖炉に火種を投げ込むと、その次に適当な紙くずを入れて、火が落ち着くのを見てから、よく乾いた木の薪をくべ始めました。
火が暖炉の中で爆せるごとに、まあ現代のファンヒーターとかそんなんと比べる事は出来ませんが、部屋が次第に暖まっていって、泳楽の冷たい手は次第に温まりました。
体が温まると、泳楽は思い出したように荷物を降ろし、今日買ってきた芋を机の上に無造作にポイポイと置くと、台所から包丁を持って来て独り言を呟きました。

「今回の新作は上場だったであります、それにしても『戦慄!珍ナメ親子』は本当に良く売れる、自分の稼ぎ頭でありますっ…キャッ☆」

泳楽は、机に包丁を置くと、机の上に乗っていた紙を一枚取り出しました、そこには素っ裸の女二人が美少年をよっこらせしているという……そんな内容の絵があります。
何を想像しているのやら泳楽は勝手に顔をポッと赤らめて、くねくねと踊っているのか、震えているのか不明な、意味不明な動きをしだしました。

ハイ、実はコレが泳楽のマッチがあんな飛ぶように売れる理由です、彼はマッチ箱の中にエロエロな裸婦の絵を仕込んで売っているのです。
正直な話、この国、いや現在の時代では、男性があの…いや……もういい、自慰行為をする事は宗教上馬に脚を括りつけられて、市中を引き回しにされてもおかしくない罪だったのです。
理由はなんでも、命を作る物を粗末に扱うな、とか、性犯罪の防止、とか……まあ、こうやって殿方の性的欲求を煽るような法を作ってしまった故に、性犯罪はますます酷くなったんですけどね。
その上、こういった絵を持つ事自体が罪でもあって、作る事は持っての他、バレたら良くて絞首刑、悪くて断頭台、まったく困った物です。
恐ろしい事に……これは私達現実の世界でもあった事で、この法その物は完全なノンフィクションだということです。

そんな中、泳楽はこうやってマッチ箱にネチョネチョな裸婦を仕込んで売る、という方法で、この街で私腹を肥やしているのでした。
本当に、よく『萌える』マッチというわけです。

更に、これが永楽のマッチの売れる秘訣なら、抜け目が無い事に泳楽はハアハア裸婦絵その物に、もう一つの秘訣を持っています。

包丁で芋を真横に二つに切ると、彫刻刀を出してその芋の断面に当たる部分を、泳楽はごりごりと慣れた手つきで彫り始めました。
その真横には、多少古い同じ様な真っ二つにされた芋が転がってるのですが、この芋の断面には何かが彫ってあります、そうです、これが儲けが多い理由です。
簡単な言い方をするなら、年賀状で子供が作ったりする芋判の要領で、ムフフな裸婦を芋に彫って、それを紙にペッタンペッタンすることで、時間を短く数を多く作っているのです。
既に他の芋判の数は十五個以上、もしかしたら他にもあるのかもしれませんが、泳楽、本当に抜け目の無い性格です、本人曰くこの仕事は『青少年に夢を売っているんでありますv』らしいですが、当然ダブッた物を買ってしまう間の悪い客も居るというのに。
まあ、そんな客達も超餓えている状態で期待でマイ・サンを元気にしている状態では、同じか違うかなんて解らない位錯乱しているのですけどね。

けれども、この夜は何時も無い奇妙な出来事が起こりました。

「っ! しまった、であります」

寒さのせいで傷みが激しくなっていたのでしょうか、手元に持っていたパッキリと彫刻刀の刃が欠けてしまったのです。
何時も冷静な泳楽、この時は少しだけ悩みました、代えの彫刻刀は今丁度切らせてしまった所で、明日買いに行くとしても、別に今日は仕事をサボッても平気だが、仕事を後につかえさせるのはイマイチ乗り気でない。
補足させてもらうなら、この時代はどんな物にも税が掛かったのです、彫刻刀のような趣向品とされている物に関しては『贅沢税』という物がついて、彫刻刀本体よりも税の方が高いという始末、その徴収された税も、今度は貴族の贅沢のために使われるのですけど。
泳楽はこの税の徴収から自分の商売がバレる事を警戒して、無駄に彫刻刀を買っていなかったのですが、今回はそれが仇になってしまいました。


仕方がありません、この時泳楽は自分の今後を考えて、贅沢税の必要ない彫刻刀が入手できる場所へと、足を運んで行きました。
メラメラと燃える暖炉に、大量の灰を投げ入れると、さっきまで温かく燃え上がっていた火はあっという間に消えて、辺りはまた暗く静かになりました。
泳楽が一歩玄関の扉を開けると、早すぎて影しか見えなかったのですが、玄関先から数人の子供が蜘蛛の子を散らしたように散ってゆきました。
あの子ども達は、部屋から漏れてくる微量の暖炉の熱気で、自分達の暖を取っていたらしいのです。

「みなさぁ~ん、火に当たりたいならもっと賢く立ち回らないとダメでありますよ~、そんなんじゃ何時まで経っても負け犬のまま、飢え死にするのがオチでありますよ~、良くて凍え死にでありますよ~、最後は野犬のエサでありますよ~★」

返事は、ありませんでした。
泳楽は半分閉まっていなかった部屋の扉を閉め、二つ付いた鍵を閉めると、自分の部屋を後にします。

あと五年位は、此処の部屋の鍵を増やす必要は無さそうだ、そう考えて、泳楽は少しつまらなそうに苦笑しました。





外は奇妙な事に、あれ程真っ黒な雪雲が掛かっていたというのに、珍しく粉雪一粒降る事無く、久しくその姿を見せていなかった月が顔を覗かせています。
まあでも寒い事に変わりはありません、寧ろ空気が乾燥して日中より余程寒くて、泳楽はもう一枚上に着てくるべきだったと少し後悔しました。
目的地はまだ少し歩きます、別に寒いといっても想定の範囲内の寒さで、凍え死ぬとかそんな事にはならなそうですが、涼しい事は好きでも、寒い事は当然の如く好きではありません。

空に浮んだ半月を眺めながら、泳楽は近道をすることにしました、あの道は大幅に道をカットできるのですが、チンピラの吹き溜まりの前を通過するのでかなり危険な為、誰も通ることはないのです。
が、そんなチンピラピンチな場所なんて、泳楽には全く危険な場所ではありません、たとえ絡まれたとしても泳楽ならハナで笑って道を通って来るでしょう、なんてったって彼はマフィ……いえ、なんでもありません。

ところがどっこい、今回はこの道差し掛かると、奥からおかしな音が聞こえてきたのです、まあ正確に言ってしまうなら殿方と乙女が色々仲良くする音というか、具体的にはズコバコというか。

迂回してゆきましょうか、でも泳楽、寒いのは嫌です、それと同時に泳楽は男女がよっこらせしていても別に驚きはしないし、たとえどんな卒倒したプレイをしていても『キャッv』で流す自信があったので、この道を通る事にしました。

路地に入ると、中は風通しが悪い為、表通りよりは温かいのですが、いかんせん血と何かの混ざり合った饐えた臭いが気持ち悪いです。
道を深く歩いて行くと、あの音は大きく、はっきりと聞こえるようになってゆきます、どうやらこの道のド真ん中でアハハウフフしているらしいです。
やれやれと思いつつ、音が直ぐ傍まで近付きます、もう角を曲がれば目の前みたいです、荒い男の息に色々な臭いとか、フルコースです、若いです。

泳楽は出会い頭に何と声をかけようか、とかそんな変な事を考えて角を曲がりました、が。


その次の瞬間、泳楽の目に飛び込んできたのは、泥まみれの雪に染み込んだ真新しい血液の赤い色でした。


「どうしたんでやんすか?
旦那も……マッチ、欲しいんでゲスか?」


足元には局部を丸出しにした男性の死体、頭は何か鈍器で砕かれて顔を判別できません。
その死体の前に居るのは、服を前はだけにした子供、胸元から痛々しく刺青を露出し、いやらしく笑ったような目をこちらに向け、明るい紫色の髪をべとべとの液体で汚して、頭の砕けた男の死体の外套を漁っていました。



こうして、この滅びへ向う街で、この二人は出会ったのです。


お後は次の、お楽しみ。

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コメント 1

定晴

にょろにょろにょろにょろにょろn(落ち着け
始まっちゃいましたね、マッチ売りうへへ←
本当にあははうふふですね、どんな汚職に手を汚してるんだこの男(
わっほい!続き期待してますよ!というかおじさん喜んでもらえて嬉しいですよ・・・!!
名無し君可愛いよ可愛いよ((
by 定晴 (2008-11-10 18:07) 

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