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企画:腹がイテェ! 腰からもげる!!(プロローグ) [拉致]

というわけで、ヘンゼルとグレーテル第一話!
本当はもっと長くなる予定だったのですが、ダレカの腹痛がヤバいことになってしまったので、今回はさわりだけで勘弁してください。
安心してください、今回の話はただのさわり部分で、本編はもっと長くなってますので!
逆に言うなら、待たせる皆さんごめんなさーい!!
という訳で、どうぞどうぞー。


コチラは、定晴さんのみ、お持ち帰り、転載できます。

童話企画
小さなてのひら。(プロローグ)

登場人物:ドルミン 琶琉君 裏琶琉君

ぱんつのごむはかためにねv

昔々度:★★☆☆☆
精神有害度:★★★☆☆
(説明回です)
(冒頭部分のみ)
(筆者の都合でかなり短いです)







むかしむかしある所に、男の子が一人で、ふたりぼっちで住んでいました。
正確に言えば男の子でなく、男の人な年齢でしたが、彼はとてもとてもその年齢に達して見えないので、これで良いのです。

この男の子の名前は、琶琉と言って、なんだか女の子の様な名前ですが、立派な男の子です。
元気な性格を現すように、びょんびょんと跳ねた黒い髪の毛を後ろで一つ縛りにして、常に髪の色と同じ、黒の襟立ての服を着ています。
ズボンは不思議な形状の、丁度婦人用下着のドロワーズにそっくりなのですが、なんでも長ズボンになるそうで、女物ではないそうです。
ですが、これも常に首元に巻き付けている真っ赤なリボンが、彼の事を女の子っぽく見せるのです。
そういえば、彼の何時も身に付けて居るマントは一体何なのでしょうか、占星術に用いられる水瓶座のシンボルが描かれているのですが、その実体は彼自身しか知りません。

のんびりやのマイペースで、面倒な事が好きではありませんが、基本的には人の役に立つ事の出来る良い子で、村の人達からはとてもとても好かれていて、中にはハアハア言って変な物を食べさせたり、飲ませたりしようとするお兄さんが現れたりしますが、そんな人が現れるとその人は自然と消えたので、琶琉君は安全に暮らしています。
琶琉君は今、村外れの家に住みながら、村の人達の手伝いをしたりして、毎日のご飯を食べるためのお金を貰っているのです。
住んでいるお家は古い丸太小屋で、大きな大きな暖炉もありますし、とても広いお庭もあって、本当は入ってはいけないと言われているけど、こっそり入っておやつの木の実を取ったり出来る森もある、ステキなお家です。
琶琉君は昔木こりのお父さんと、やさしいお母さんと、沢山の羊に囲まれて暮らしていましたが、今はその誰も残ってはいません。
お父さんは所謂一つの『婿養子』と言うヤツで、お母さんのお家へ嫁いで来たのですが、そんなに大きな家だというのに琶琉君に家族は居ません、昔お母さんの親戚を名乗る人が此処に来て、琶琉君を連れて行こうとしたりしましたが、今はみんな居なくなってしまいました。
琶琉君のお父さんとお母さん、羊達が一体何処へ行ってしまったのかは誰も知りません、琶琉君自身も、その事を深く覚えていないのです。
ただ少し、空が突然真っ暗になって、物凄い数の雨粒が自分の頬に叩きつけ、目の前が真っ暗になったかと思うと、村の病院で目を覚ました、その事しか覚えていません。

それでも、琶琉は一人でしたが、『ふたりぼっち』なので寂しくありません、時々昔のことを思い出しては悲しくなったりするのですが、その度に自分の中に住んでいる『もう一人の琶琉』に慰めてもらうのです。

そんなある日の事でした、とても激しい雨が降る日の朝、琶琉の家に知らない子供が、勝手に上がりこんで、勝手に料理を作っていたのです。
琶琉君はゆっくりとその後姿に近付くと、美味しいスープの匂いがぷーんしてきます、どうやら彼の作ったスープは少しだけスパイスを効かせた物らしく、香りが食欲をそそります。
子供は此方に気がついていないらしく、せっせと家事に勤しんでは、ふうふうと息をついています、凄く働き者な様です。
琶琉君はどちらかと言えば面倒な事は嫌いですが、子供が働いている所を無視してゆっくり出来る程に認否人ではありません、彼は子供が好きなのです。

食事を作り終え、掃除を始めようとしている子供を思い切って呼び止めてみます。

「ねぇ、君は誰? 何処から来たの? 如何して……此処に居るの?」

すると、子供は振り返って琶琉君の事を見ました。
振り返った彼の目は、白目が金、黒目が黒、瞳は猫の様に細く、そして真っ赤という人間の物とは思えないような色をしていて、三日月の形の瞳は御伽噺に出てきた悪魔の様です。
子供は琶琉君の子とをまじまじと見ると、急に明るくにっこりとしだして、優しく諭す様に琶琉君に言いました。

「おはよう琶琉君、よく眠っていたね、今温かいスープが出来上がるがら、それまで私の手伝いをしておくれ。
私の名前はドルミン、今日から君のお母さんになる人だよ、なのだよ」

その直後、琶琉君の意識がゆっくりと世界から反転します、琶琉君はその事を別に不安には思いません、慣れた事ですから。
これは、琶琉君の裏側に住んでいる、もう一人の琶琉君が出てくる時の合図みたいな物なのです。
一瞬の間を置いて、琶琉君が子供に詰め寄ります、その形相は先程の柔和な表情と違って、血気盛んで好戦的な雰囲気を纏っています。

「お前……我輩に向って、初対面で母など……何のつもりだ!
正直に言え、子供を我輩の鎌の錆にしたくはない、今なら正直に言えば7/8殺しと、100発の尻叩きで勘弁してやる」

7/8殺しって、ほぼ死んでるじゃないですか。
そう言ったもう一人の琶琉君の手には、何処から取り出したのでしょう、四次元からです、大の大人の身の丈にも届く程大きな鎌が握られていて、剥き身の白刃は見る者を震え上がらせます。
すると、子供、ドルミンは琶琉君にあえて近く寄り、何か銀に輝く小さな物を自分の懐から取り出すと、琶琉君に構えたのです。
それにはもう一人の琶琉君、本気で身構えました、ところが。

「あ、いいねいいねなのだよ、その表情ソソるのだよ、加虐心をムラムラ擽られるのだよ、次はもっと泣いている表情が見たいから、私のお注射で鳴いてくれたまえ」

ドルミンが取り出した物はデジカメでした、カシュンカシュンと被写体の許可無く撮りまくっています、もう時代設定は無かった事にしましょう、な?
その内撮るのにも飽きたのか、終わったのか、デジカメを再び懐に戻すと、今度は自分のベルトのバックルに手を伸ばして、非常に典型的な音を立て始め、不愉快な水音もします。
琶琉君、ピンチです、琶琉君は彼の発情期の獣の様な目を見て、今まで表の琶琉君に言い寄ってきた人間は沢山居ましたが、その中でも所謂、出来上がってる部類の人間に良く似た臭いを嗅ぎ取りました。
出来上がっている人間、それは躊躇わない人間です、ドルミンは社会の窓をフルオープンにすると、猛然と琶琉君に突撃します。

「オイ、お前、止まれ、こっちくんな止まれ! 止めろ!! おいこら、変な物を擦りつけるな!!! ちょ、あ、ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ、ぁ、ぁ、ぁ……アッー」

琶琉君の腕には、必殺の威力のあるであろう大鎌が握られていました。
でも、ドルミンの股間には必中(種付け的な意味で)のロケットランチャーが握られていたのです。




彼は、村の村長の息子で、琶琉君の事を大変だろうと思って、金の力で無理矢理2人を自分の養子にして居たのでした。




その日から、琶琉君(主に裏)の地獄の生活が始まったのです。

日中、ドルミンと琶琉君は朝から一緒に村の人の畑の手伝いに行きます、現在の季節は秋、収穫の季節です、畑の手伝いをすれば、嬉しくなった畑の人が畑で収穫できた物を余分にくれたりするからです。
えいこらえいこら、二人とも一度働き出せばかなり働き者なので、仕事は捗ります、でも、ドルミンはかなり病弱らしく、ちょっと無茶をしすぎると口からスプリンクラーの様に血を撒き散らして、野菜に動物性蛋白質の養分を与えてしまうのです。
だから、琶琉君はドルミンの事を割りと気遣ってあげるのですが、その時にもドルミンの躊躇いの無いセクハラが飛びます。
この日は芋運びをしている時、うっかりドルミンが貧血を起こして、芋を落す事は無かったのですが、少し休まなければならなくなって、琶琉君がドルミンの体を抱えた、その時です。
ドルミンは先程のぐったりした様子は嘘の様に、琶琉の胸板に激しい、電動歯ブラシの様にブルブルと頬擦りを始めたのです。
口からは恍惚に満ちた声が出ています、ハァーーーーーーーーーーーーーンとか言ってます、発情期の猫の叫び声に似ています、明らかに変態です、子供だからってレベルじゃありません。
琶琉君も琶琉君です、そんな狼藉を働かれて『くすぐったいよぅ』だなんて、ショタ物お約束の反応をしてくれています。
そして、その度に琶琉(表)の貞操の危機を守る為に、琶琉(裏)が表に出なければならなくなるのです、変態と戦うハメになるのです。

本当ならもう一人の琶琉君は、あまりにも無防備な琶琉君を見捨てても平気なのかもしれないのですが、いざとなって二人がギッチラギッチラした後、尻が痛くなるのは自分もなのですから、たまったものじゃありません。

夜も夜です。
食事はよほどのことがない限り、ドルミンが一人で作ってくれるので、彼が居なかった時よりずっとラクなのですが、明らかに精力が漲って大変な事になる粉を入れたり、自分の体に料理を盛り付けたりして、あまつさえ琶琉(表)君がそれを構わず食べようとするのです。
そして片付けはそれぞれなのですが、それがドルミンはわざと最後に食べ終わって、琶琉君が洗い物をしている所へ忍び寄って、明らかに嫌な棒をこすりつけて、勝手に悦んでいたり、時にベットにティッシュが散乱していたります。
数十回このドルミンを消す方法を考えた事もありました、寝首を掻いて、森に埋めてしまおうとも、いっその事この事を村の人間に公表して、なんとかしてもらおうとか考えたことがありました。
それでも、村の人間はあんな小さな子供にそんな事出来る筈が無いと言って、取り合ってくれません。

その夜、裏琶琉君は、表琶琉君に相談をしました。
2人の相談は、二人の心の中の世界で行われるので、他の人に聞かれる心配はありません、でも万が一を考えたため、村の全員が寝静まった時を見計らって相談です。

「なぁ、琶琉、お前このままだと絶対にヤバいぞ」

琶琉はその言葉を頭の中で聞いて、反射的に寝返りをすると、隣に誰も居ないベットにもう片方の自分が居る事を想像して、話に耳を傾けました。

「どうしたの? 何が?」

「あのドルミンってヤツの話だよ、お前このままだとその内変な服とか着せられて、変なオッサンの集まりとかに連れて行かれちまうぞ」

「ドルミソ君? 平気だよ~、だってドルミソ君いっつも優しいし、作ってくれるご飯美味しいし、そんな人が悪い人なわけないってば」

「バカ! アレの何処が優しいんだ! それにあのドルミンをドルミソだなんて呼ぶんじゃない! 愛称をつけたら情が移っちまうだろうが!」

裏琶琉君は思わず声を荒げました、なんということでしょう、この自分の主人格がとてもとても人に騙されやすい事は知っていますが、凄く無知な事は重々承知なのですが、まさかこんなに人を疑わないとは想定の範囲外です。

「でもドルミソ君、今までなんにもしてないし……」

「だからそれは我輩が……ってああ!!
もう兎に角!後一回あの腐った蜜柑の詰め合わせが変な事をしたら、アイツを本気でこの家から叩き出すからな!」

その時、こんな夜更けだというのに部屋の扉がガチャと開いて、中から例のクサレみかんがお出まししました。
どうやら、二人の相談が徐々にヒートアップする内に声になっていたらしく、家の中で何かして居たドルミンが様子を見に来たのでしょう。

「琶琉君、起きていたのかね?」

「はイっ!」

咄嗟の事で驚いた琶琉二人は、思わずそれに返事をしました、なんか変な声になってしまいましたが、多分この程度ではいくらこの変態が発情していても平気……。

「起きているのなら丁度良かった、今直ぐすっぽんぽんになって、後ろを向いて、そこの壁に手をつきたまえ」


琶琉は家から転がるように森へ逃げました。



そうして、崖から突き落とされる事同然の、2人の恐ろしい夜の森の旅が始まってしまったのです。


お後は次の、お楽しみ。

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陽

ドルミソ君恐ェェェ!!
逃げて!琶流きゅん逃げて!!


アッー!!
by (2008-10-28 18:52) 

定晴

はっ琶琉ぅぅぅぅぅ!!逃げて!!超逃げて!!
ドルミソ君危険すぎる^q^
そして何やら番外編を書いちゃう私は馬鹿の塊であろう←
by 定晴 (2008-10-28 19:51) 

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