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体育の日SS:(白い)水符「大事な所がポロロッカ」 [小ネタ]

割りと重要なお知らせなのですが。
私、14日からの5日間、教育実習が入りまして、凄く忙しくなります!
つまり、いつも遅いコメ返信は更に遅くなる上、更新も流石に全部って事は無いけど、2日位お休みしちゃうかもしれんって事です!
ご迷惑お掛けしますが、どうぞよろしくお願いします。

企画の方も、徐々に締め切りが近付いております。
お一人様、何人でもOKなので、どしどし送っちゃっていいんですよ~ムフフフフ。
なんでこんなに強調してるかって? 他人のお子様を嬲りたいからさっ☆



体育の日SS
死走・・ワルツ

登場人物:おじさん 十六夜の子
脇役: aaaaa 猫

おじさんが死にそうです。

イミフ度:★★★★☆
精神有害度:★★☆☆☆
(本当に、短いです)
(何時もの書き方じゃねぇ)
(微グロ?)






おなか、いっぱいだよ。
でも、食べたい、とっても食べたい。
食べさせて、食べたい、沢山、咀嚼したい、千切りたい。
受け取って、貰って、あげる、受け取って。

笑う? 嘲う?

わらって、喜んで?


しっそう
死走・・ワルツ



深く、深く、不夜の街ですら寝入り、全ての気配が月光に吸い込まれ生気すら無くした、ぬばたまの闇の中。
そのぬばたまの闇が、のっそりと首を擡げ、青白く輝く弓弦の月を仰いで笑い声を上げる、一度、二度。
飢餓の空腹は無い、全てが満たされた盆の上、血錆を纏った鋭利な目は、その眼前に目的の獲物を発見すると、音も無く。
不完全の主は今眠った、銀の盆の上には自分だけ、長い髪を一纏めにして切り裂く、邪魔な目を地に打ち捨てる。

疾走、した。

闇を疾走する人間、黒い服、黒い飾り眼鏡、黒い髪、男、立派な肩で風を切り、耳に疾風を聞きながら、背面に迫る何者より逃げる。
背面に迫る何者か、金の髪、三対の足、銀の単眼、怪物、切られた風を辿る様に追い、その獲物に牙を立てたその時を夢見て追う。


黒の人間の頬に、熱い何かが飛び掛る、熱いそれは後から後から幅を広げ、じりじりと焼け付くような衝撃呼び、あまりにも鋭利なそれは弱まる度に苦しみが酷くなる。
金の怪物の爪先に、熱い何かが付着する、伸ばしきった爪で唯一掴めた物、芳醇な現無き夢の芳香、舌を伸ばして舐め取れば口に広がるのは悦楽。

黒の人間は飛び上がった、青々と生い茂る生垣の、手前に手を付き宙に飛ぶと、背後の者の爪先届かない場所へと走りぬけて、荒れた息を整える。
金の怪物は更に追い続けた、手すら付かずに宙を舞い、見失った人間を探す、探す、背の羽を広げると、名残惜しげに最後の血を舐め取り、愛しい影を探す。

黒の人間は見つかった、闇に拡がり行く銀の目、月の様に対は無の、ただ一つ浮ぶ銀が、喜びを込めた目で己を見つけ、また突進をした。
金の怪物は見つけた、愛しい愛しい人間、銀を映す目は黒く、舌に乗せた時、数千の渇きの果ての水の様に、自分を潤すのだろうと。

黒の人間は走り出した、背後に増える羽音を耳に、もう一度飛ぶ、飛べない、羽音は耳に張り付き、赤子の産声の様に愛し愛しと愛を叫ぶ、耳奥で耳鳴り。
金の怪物は羽を畳まない、追われる人間の全てが見えた、骨、神経、筋肉、内臓、全てが全て己の物、言葉が喉奥から紡がれて、叫びに変わる、聞く物は居ない。

黒い人間は叫んだ、何者も寝静まって、何者も現れない、ただ静かに音が消えて死ぬ、人間の音も、怪物の音も、音も無く死んだ、人間はそれを知っていた、知っていて叫んだ。
金の怪物は聞いた、耳に天上の音楽が轟く、滴りの音も、飛沫の音も一つ一つが美しい、だが怪物は何一つとして覚えていない、覚えようともしない、それを知らずに聞いた。

黒い人間は逃げた、虫の瞳を見られているなら、少なくながらどちらかが隠される、音か、光か、深く息を吸って疲れ切った足に鞭を入れると、永遠と続くような長い世界から、人間は離脱し、怪物の目を眩ませる。
金の怪物は逃げられた、人の姿が見えない、無限に増え続ける人の影を映す眼には、最早全ての影が途絶えて消えてしまって、何も無い、タダ一人残されたように怪物は彷徨う。

黒い人間は隠れた、人一体の影の中で、黒い姿を縮め、手足を曲げ、息を殺し、全てを消し、そこに居た物は何も無い様に見せる、掻き消える事は出来た時が、掻き消えたように見せられた時が、人の勝ち。
金の怪物は見失った、羽を畳む、意味も無い己の足音だけが、火無しに波紋を広げ続ける、匂い、愛し物の匂い、湿った爪を立てる様に、記憶の中のそれに舌を這わせ、例えよう無きそれを追った。

黒い人間は噛まれた、鼻腔へ届く感覚を頼りに追ってきた怪物は、容赦なく人間を見つけると噛み付いて、一口肉を喰いちぎり、食んで笑う、隠れる内に逃げる途中、ほんの一瞬の判断の誤りが人間の目を赤く見せる。
金の怪物は蹴られた、満身の力を込めての人間の蹴りが、怪物の腹に向ってめり込み、怪物の息の自由を奪い、その内に人間は血を蹴って、また夜へと走り出した、口に残って居た血と肉、それが今喉奥より溢れる。

黒い人間は赤を見た、皮一枚と、一掴み程の自分の一部だった物を失った、後から後からこんこんとぬめる液体が溢れ出て、一度の赤を避けなければ、その先には彼岸が待っている。
金の怪物は吐いた、げどの群れ、折角の赤を怪物は吐き出してしまった、怪物は屈んで、異国の女神の様にまだ地に染み入る前のそれを舐めようと、赤を伸ばして口に含むと、またもう一度げどを吐いた。

黒い人間は怪我をした、後から後から湧き出る赤、赤、赤、人間は胸に挿して置いた布を取ると、赤く長い糸を引きながら裂き、巻きつけ、赤が流れる事を止め様とした、赤はじわりじわりと滲み、紅の筋を引いて長く長く。
金の怪物は舐め取った、幾つもに分けて吐き出された茶、異臭漂い、誰もが眉を潜める、だが大切な物は全て取り戻して、怪物は満足している、とても、とても、羽はビリビリと傷む、香りは遠い、また金が広がる。

黒い人間は笑った、方法は一つ、拭っても追われる、聴覚、味覚、触覚、三つで追われる、何時であっても現れて、無慈悲に鋭利なそれを向ける、なら方法は一つ。
金の怪物は歓喜した、気配はとても近い、待っている、自分を待っている、愛し物が待っている、追って居る者が待っている、肉が、骨が、臓物が、血が、立ち止まって、怪物を待っている。

黒い人間は待った、袋小路、今にも銀の単眼は飛びかかってくる様な、歪んだ妄想に囚われる、妄想の中で、自分自身は数百回殺され、数十回生き、最後の妄想では自分は死んで紫を空に露出して痙攣していた。
金の怪物は辿った、全てが終わる、全てを受け取ってもらえる、もう言葉も亡くす、目的の遂行、蟲の微かな理性は喜びを思い、赤の中の全てが自分の目に鮮やかに浮び、生まれた記憶を愛でる、愛でる。

黒い人間は捕えられた、力の限り肩を抑えられ、抉られた肩からまた赤が吹き出る、衝撃、自由になる腕を引きずると、自分と同じ黒のそれを胸から引きずり出した。
金の怪物は捕えた、長い鍵爪は紅の線をずっとずっと濃く、確かな物に引く、血の色、血の色は赤の色、肩に牙を立てようと、懇親の力を込めて牙を剥き、迫る白。


黒い人間は銀色を引いた。
金の怪物は牙を立てて泣いた。


黒い人間は、
金の怪物は、









「タガメってのは、獲物の体液を吸う生き物だって、聞いたんだがな……」

「ああ、その口じゃあ……吸うってのは無理か」

















「獣の最大の愛情表現って、知ってる?」

気だるげに窓のサッシに背を寄せる子供が呟く。
答えるのは常葉色、今日は何があったのか、本来の姿の常に無機質な言葉を返す。
常葉色は、先程までして居た家事を中断して話に答えた、もしかしたら、機嫌が悪いのかもしれない。
いや、感情の無い彼には、そんな事はありえないのだが。

「知りません」

「何よ、今日は機械モードなの? つっまんないわね~」

そう言うと、少し身を乗り出していた体をまたサッシに預ける。
この子供は、元々が死体で出来た体故か、冷たいところを好み、今回も冷たく冷えた窓枠にいる訳だ。

「僕は機械では御座いません、私はリヴリー管理局より精製された、バイオ・ロイ

その答えは、身勝手な子供の意見で途中で中断される。

「そんな事如何でもいいわ、知らないなら教えてあげる」




「食べる事よ」


それだけ言い終えると、後は何の興味も無かったと言わんばかりに、先ほど吸っていた吸い刺しを取ると安いライターで火を点ける。
人吸いされ、吐き出す煙を子供は常葉色に吹きかけて、ハハッと小さく、意味も無く笑った。
常葉色もまた、その事を物ともせずに家事へ戻ってしまった。
それを見て、子供はまたとてもつまらない気分になって、紫煙を肺一杯に吸い込む。
何気なく見た窓の外では、青ざめた三日月が輝いている。
季節はもう冬に近付いている、その上今日は曇っていて、雨が少し降っていた。

今日の夜は長いだろう。


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陽

ドルミン君にプレゼントを用意しましたヤッフーッィ!!ww(遅
ブログへお越しいただけたら幸いです(何かおかしい
by (2008-10-14 18:44) 

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